不安3「AIやIoTの活用イメージを描くのが難しそう」を解消する

人工知能・IoTの時代はもう来ている、「まだ先でいい」の発想は危険

日経BPイノベーションICT研究所
上席研究員
田中 淳

ビジネスの価値を最大化するためにビッグデータをどう活用していけばよいのかを、皆さんと考えていくこの連載は今回が3回目です。連載では、以下のトピックを取り上げています(内容は変わる可能性があります)。

不安1:ビッグデータに今から取り組むのは遅すぎないか(掲載済み)

不安2:システム構築に多額の費用がかかるのでは?(掲載済み)

不安3:AIやIoTの活用イメージを描くのが難しそう(今回)

不安4:既存システムをガラリと変えないと実践できないのでは?

不安5:プロジェクトマネジメントの進め方は従来通りで大丈夫か

不安6:ビッグデータを扱うエンジニアを自社で育成できるのか

第1回では、ビッグデータは「競争力を高めるIT」の中心にあり、ビッグデータ活用に取り組むのは遅いどころか、まさにこれからだと説明しました。第2回では、OSS(オープンソース・ソフトウエア)の活用について取り上げました。

今回の主題はAI(人工知能)/機械学習とIoT(Internet of Things、モノのインターネット)です。どちらも現在、IT関連で最もホットなキーワードとなっています。

一方で、OSS以上に「活用するのはハードルが高い」と感じている方も多いのではないでしょうか。「当社がAIに取り組むにはまだ早すぎる」「IoTという言葉はよく聞くが、当社で応用するイメージがわかない」という声

しかし、ビッグデータ活用を目指すのであれば、AI/機械学習やIoTを視野に入れることは大切です。業種や業態にかかわらず、ビッグデータ活用の効果をより高めることにつながると考えられるからです。今から自社でこれらを活用するシナリオを考えておくことは絶対に無駄にならないと思います。

以下、ビッグデータ活用の観点で、AI/機械学習やIoTがどのような役割を果たすのかをいくつかの事例を基に紹介します。

センサーを使って収集した様々なデータを収集・活用

まずIoTから見ていきましょう。調査会社の米ガートナーは、IoTを「通信機器を備えた様々な対象物によって構成されるネットワーク。それぞれが内部状態や周辺の環境を通信・対話し合えるもの」と定義しています。ややイメージしにくいかもしれませんが、とりあえず「様々なモノに付けたセンサーからデータを収集・活用する仕組み」と捉えておけばいいでしょう。

ここでいう「様々なモノ」の中でも、読者の皆さんに最も身近だと思われるのはスマートフォンです。スマートフォンの多くは位置や傾き、加速度、明るさなどを測るセンサーを備えています。他にも自動車から家庭、オフィス、工場、農家・農場、ビルや道路、飛行場のようなインフラで使う設備や機器まで、様々なところでセンサーが使われています(表1)。

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ブランド米を作る場所の選定を支援

IoTではこれらのセンサーと、データをやり取りするネットワーク(多くの場合はインターネット)、大量のデータを収集・活用するコンピューティング環境を組み合わせて活用します。写真1をご覧ください。

出所:ITpro

写真1●センサーで取得したデータの例(クボタのコンパイン)

これは農業機器大手のクボタが販売する、米の収穫に使うコンバイン(収穫機)のメーターです。「平均タンパク」「平均水分」は、コンバインに付けたセンサーで取得したデータです。

このコンバインは、50程度のセンサーを搭載しています。センサーで取得したデータはメーターに表示するだけでなく、無線LANと専用スマートフォンを介してクラウドサービスに送られます。コンバインと専用スマートフォン、クラウドサービスでIoTのシステムを構成しているわけです。

センサーでは、米の収穫量やうまみに関するデータを取得できます。「平均タンパク」はうまみを表すデータの一つです。これらのデータから、収穫量が高く、うまみのある米を作るのに適する場所を把握でき、「この田んぼではブランド米を作ろう」といった意思決定が可能になります。

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