Biz/Browserユーザー鼎談

製品を使い続けるためにも“同じ仲間”を増やしたい

ビジネスUI実行ツール「Biz/Browser」は、1999年の発売以来、損害保険やゼネコン、インフラ関連など大手企業に採用され、長期間にわたって使われています。2000年代初めに採用したのが当時大成建設のCIOだった木内里美氏(現オラン 代表)と東京ガスiネットの横山透氏。さらに2018年に導入したマイプリントの古川博教氏を加えて、リリース当時の思い出やBiz/Browserに寄せる思いを語ってもらいました。

第一印象では「使えるとは思えなかった」

―Biz/Browserと出会った当時のことや第一印象を教えてください。

株式会社オラン
代表
木内里美氏

木内:出会いは、バブルの名残があった1998年だったでしょうか。まだ私が、大成建設の事業部門にいた当時です。歌舞伎町のクラブで会ったのをきっかけに会社に遊びに行って、Biz/Browserなど色々なソフトを見せてもらいました。Biz/Browserのエバンジェリストをやっていた片貝孝夫さんにもお会いしましたね。

 開発当初は立ち上がりが速くないし、デザインも洗練されておらず、使えるとは思えませんでした。ただ、その後、何回か見せてもらう内に大分ブラッシュアップされてきて、段々と面白いツールだと思えるようになってきました。

横山:私が最初に知ったのは2001年頃です。東京ガスの情報システム部門にいた時に、上司から「Biz/Browserというツールがあるので、確認してみてくれ」と言われたのです。実際に話も聞き、検討しましたが、その時は導入実績もほとんどなく採用に至りませんでした。

―最終的に、導入することになった経緯や理由をお話ください。

木内:2001年から7年半ほど、大成建設のCIO(最高情報責任者)を務めていたとき、すべてのシステムでメインフレームを止めて、Webシステムにオープン化しました。その中の調達システムで、電子調達を行うことにしたのです。

 建設会社の調達システムは入力項目が非常に多くて、しかも細かい。それをWebシステムで作るのにどうしたらよいのか、大きな問題でした。普通であれば、JavaScriptを使って開発します。しかし、画面数が多く、とても無理だと担当のリーダーが直訴してきたのです。

 そこで私は、彼にBiz/Browserを勧めたところ、すぐに見に行きました。帰ってくると、「Biz/Browserにしましょう。あれしかありません。いちいちプログラミングしていられないし」と言うので、採用することにしました。

導入企業から悪い話しが1つも出てこなかった

東京ガスiネット株式会社
取締役常務執行役員
横山透氏

横山:2002年くらいだったか、Biz/Browserのことはすっかり忘れていたのですが、ある展示会で片貝さんが私のところに走ってきて、「横山さん、Biz/Browserが東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)さんと大成建設さんに採用されました」と言うのです。片貝さんの熱意がとても強く印象に残りました。

 そうしたこともあって調査しようと、東京海上火災保険さんと大成建設さんに、ベンダーを介さずに直接訪問して話しを聞きました。すると、悪い話は1つも出てきません。普通なら「ベンダーに騙された」とか「話と全く違った」といった話が山のように出てくるものですが、全くないのです。

 そこで小さなシステムから始めて、2007年に中規模なガスメーター業務管理システム、2010年には3,000人以上が使う大規模な供内管設備管理システムに導入しました。その後、OSやブラウザのバージョンアップもありましたが、現在まで運用上特に苦労なく、システムの安定利用に寄与しています。

株式会社マイプリント
社長室
プロジェクトリーダー
古川博教氏

古川:マイプリントは印刷業ということもあり、社内はまだ紙中心の文化です。それでもVisual Basicで開発したシステムを30年くらい改修しながら使っています。ドキュメントもなく、技術者もいなくなる中で、改修の度にシステム部員が全国の営業所に出向いてメンテナンスするのはとても大変です。

 そこでWebシステムに全面刷新することにしたのですが、入力画面が非常に複雑で、ブラウザで可能かどうか検討する中で、Biz/Browserが候補に上がりました。2017年秋から製品の本格的な検討を始め、すぐに採用することにしました。

一番怖いのは“Biz/Browserの進化”が止まること

―Biz/Browserのどのような点を、長所と感じているのでしょうか。

木内:Biz/Browserを推薦するのには2つ理由がありました。1つはUIツールなので、システムの表側にしか使わず、開発のリスクが低いこと。もう1つは環境依存性がないことです。もしBiz/Browserを使わなければ、先の調達システムでもUIのためのプログラミングが求められ、結構お金がかかったでしょう。それが要らないため、ムダな費用をかけずにすみました。

古川:開発ではスピード感も大切で、早く画面を見せて利用者と対話したいのに、時間ばかりかかってしまっては、ビジネスの変化にも対応できません。クライアント/サーバーシステムはそれが課題でしたが、Webシステムでも画面作成に時間がかかることが大きなネックになっています。

 ところがBiz/Browserでは、画面を簡単に作ることができました。ユーザーの誰もが、違和感なく普通に使っていますし、導入にマニュアルも必要ありません。Webシステムへ切り替わったことに、誰も気づかなかったくらいです。

横山:システム開発の現場では、業務の生産性を上げるため作り込みが当たり前。ところがオープン化した結果、OSやブラウザがバージョンアップされると動作保証の改修や検証など、運用コストがかさみがちです。これらの対応は、開発者にとっても楽しい作業ではありませんし、経営陣に説明しづらいため予算を確保するのも大変です。その解決策の1つが、OSやブラウザのバージョンアップによる「環境差異」を吸収するBiz/Browserでした。ですから、この製品の進化が止まることが一番の恐怖ですね。

業務システムの変化に対応した進化を期待

―最後に、今後の期待やご意見をお聞かせください。

木内:製品も着実に進化しているし、20年間本当によくがんばってきたと思います。課題は、マーケティングかもしれません。Biz/Browserはよい名称だと思いますが、それぞれの製品になると、やや複雑で分かりづらくなってしまいます。

横山:企業の基幹システムの寿命が平均15年といわれる中での20年ですから、すばらしい製品だと評価できます。今後は、スマートフォンでの画面操作や音声入力が当たり前になる中、業務システムも大きく変わっていくでしょう。そうした動きにも目配りしながら、Biz/Browserをさらに進化させて欲しいと思います。

古川:これから3~4年かけて、全社のシステムをBiz/Browserに切り替えていきます。1000本ほどのシステム開発の予定がありますが、担い手の不足でプロジェクトを遅延させたくないので、Biz/Browserの市場を広げるためにも、開発ベンダーが増えていくとうれしいですね。

(左)木内里美氏:株式会社オラン 代表取締役
1969年、大成建設に入社。工場施設や港湾施設の設計などに従事するなど多くのプロジェクトに参画。2001年からは社長室情報企画部に異動、全社の情報システム再構築プロジェクトを担当。第1回「CIOオブ・ザ・イヤーを受賞。2008年から大成ロテック監査役。2012年7月、株式会社オランを設立。

(中央)古川博教氏:株式会社マイプリント 社長室 プロジェクトリーダー
自動車会社、量販店などで常に最新のITテクロジーを用いて業務改革を推進。その後、外資ソフトウェア会社、コンサルティング会社などで、ユーザー企業のITおよび業務改革を支援。2017年、婚礼業務改革プロジェクトに参加。現在に至る。

(右)横山透氏:東京ガスiネット株式会社 取締役常務執行役員
1984年、東京ガス株式会社入社。システム部門にて人工知能等の技術開発を担当。1992年、情報子会社へ出向し、外販を5年間ほど経験。1997年に帰任後、システム部門やパイプライン部門にてプロジェクトマネジメントやITガバナンスを担当した後、2011年に情報子会社の企画部長として再度出向。2013年、取締役就任。